だし巻き卵の隣に徒然なる戯言を添えて

だし巻きたまご

随分と窮屈な世の中になってしまった。

と、嘆くことは容易だけれど、この中で何が出来るかを探すこともまた、一つの楽しみ、そう思わせてくれた絵がありました。

一昨年、箱根で開催されていた【特別追悼展】堀文子展 を教えていただき、足を伸ばした先で見た、微生物の絵です。

80歳を超えてもなお、自分の追い求める表現のためヒマラヤ山脈へ出かけるほど情熱を持ち続けた堀さんが、晩年体調の悪化から出かける事が出来なくなってしまった時、顕微鏡を覗いて見た極小の世界に心奮え、晩年描き始めた微生物の世界の絵。

表現したいモノを見つけた時の「歓喜」そんなエネルギーを感じました。というか漲ってました。

これから画家として活動をしていくぞ!って意気込みの若者が放つフレッシュさのような(絵のことよくわからないけど)

環境も、年齢も、体力すら、人の放つ情熱の前では関係なく、人はこんなにも躍動するものなのかと感動した展覧会でした。

で、身近な物にフォーカスする素晴らしさを、こんなご時世だからこそもう一度考えてみようと思い、思いを馳せている昨今です。

最近見つけた考察対象「出汁」

きっかけはだし巻き卵。

卵の美味しさや鮮度が持ち上げられる事が多いけど、むしろ「出汁」によってまったく異なる料理に変わってしまうほど奥深いですよね。

カツオ、昆布、煮干し、最近では野菜の皮などから取れるベジブロスなんてものもあります。。。

出汁の素材となる食材にもそれぞれのストーリーがあり、回り回って生き物には欠かすことのできない「水」に抽出され、出汁となる。。。

極上に美味しいものもあれば、出汁もとれないスカスカな食材もあり、さらに出汁の取り方によっても味の良し悪しは違い、さらにさらに水によっても変わってきて、もうキリがありません。

そして出汁をどう料理するかもまたセンスとスキルが大きく関わってきて、味わう人によっても受け取り方が変わって。。。

そんなことを考えていると、これは人間でも全く同じではないかと思えてきました。

人にも各々ストーリーがあって、それを音楽や絵画やスポーツ、時には経済という「水」のなかで溶け合い文化を作りだし、その文化を味わい、新たな人々が新たな文化を生み出し、そしてまた人々が味わい、そうやって繰り返されていくのだなぁと。。。無駄に壮大な話に持っていく妄想力。

ちょっと焦がしただし巻き卵を食べてる時、堀文子展で買った画集無いけど誰に貸したんだっけと考えながら、思いを馳せる夕飯時の出来事。

shunsuke

コメント

  1. MIORI より:

    わあ、美味しそう!

    京都大学と菊乃井の村田さんが共同で研究した結果、「昆布10gを水600ccに浸けて、ゆっくり温度を上げ60度で1時間、その後85度に水温を上げてから火を消し、鰹節17gを一気に加えて沈んだら濾す」方法が一番美味しい出汁が取れたらしいです。

    音楽も同じで、振動、残響、周波数などの研究によって良い結果が出せる「法則」がいっぱい出来ましたが、実際は、やってみると、ちょっとしたタイミングの差やゆらぎがあるか否か、素材の違いで結果が全然違ってしまう。大雑把には同じ系統のモノが出来ても、全く同じものなど出来やしない。

    私はそれがいいなぁと思います。人間が負うことが多い方がやる気が出るし、面倒くさいことが多いほど経験値が上がるし、結果が幾通りもある方が「自分らしさ」が出せるもの!

    俊輔さんの卵焼きは、生き物みたいな卵焼き。w

    • shunsuke より:

      なぜ、、mioriさんがコメントに出現?(笑)
      別に1mmも、堀文子さんの画集返してもらったっけな?とか疑ってないわけですが、引き出しから出てきました。
      はい、別に疑っていないので謝る必要もないのですが。

      なんだかすいません〜。。。

  2. Kimmy より:

    お久しぶりです。
    美織さんコメントへの俊輔さんの返しに思わずニマニマしてしまいました。
    何だかこの感覚 懐かしい~と思ったら ライブの臨場感でした!

    それにしても出汁の話からふくらみましたね。
    さすがmillylaforetのお二人。
    私はこの時間にひたすら「だし巻き卵」が食べたくなりましたよ~単純。
    この写真は罪だ 時間差の飯テロ(笑)

    • shunsuke より:

      先日、、このやりとりをライブのMCでやってたら、きっとKimmyの笑い声聞こえてくるよねと話していたところに。。。(笑)
      思惑通り(?)。。ふふふ。