ドイツ旅行記(10)

前回で完了するはずだったドイツ旅行記・・・ですが、
書かずにはいられない事件が起こったので、付け加えさせて頂くことにしました。

最終日の朝、ちえさんと私はレンタカーでニュルンベルクへ向かい、
そこで車を返してから国内線でミュンヘン、
ミュンヘンで乗り換えて羽田へ飛ぶことになっておりました。
「もうトシだからラクしようよ」と選んだ一番ラクラクコースです。
が、ルフトハンザが日本発着便のみ荷物を23KG×2個預かってくれるという情報を入手したので、
別便で帰る大ちゃん達の荷物を少し引き受けることにしたのです。
というわけで、計4個のでっかい荷物を持つことになった私達。
でも、預け荷物カウンターまで行けば大丈夫!

が、まず、そこで最初のトラブル発生。
私の分が重量オーバーだったのです。
でも「今回はOKにします。次回は気をつけて下さい」と言って頂けたので、ラッキ〜。
今日はついているかも!

と思ったのもつかの間、、、
ようやく荷物から解放され、朝ご飯を優雅にカフェで食べていたところ、
2番目のトラブル発生。
空港中に響き渡るアナウンスで「ミセス・クニヨシ〜」と呼んでいるではないか!
慌ててインフォメーションに駆け込むと、セキュリティセンターへ行って下さいと指示される。
どうやら私の荷物の中に武器のようなものがある、、、、らしい。
ドキドキしながらインターフォンを押すと、
中へ案内されて、私のスーツケースのXrayの画像を見させられました。
これは合成写真ですが、ちょうどこんな感じでした。

Xray

確かに武器に見えなくもない。笑
「What’s this?」と聞かれたので、カバーを外して弾く真似をして見せたら、
全員に大爆笑されました。正解はミニ鍵盤楽器とUSBケーブルなのでした。

しかし、こんなふうにくっきりはっきりいろいろなモノが写るのですね。
初めてXray画像を見ました。

と、感心したXray画像を、1日2回も見ることになるとは。。。
実は、三つ目のトラブルも、このXray画像がらみだったのです。
今度は手持ちバッグです。
パソコンもipadもカメラも出したのに。。。
また連行され「What’s this?」と聞かれて画面を見させられたら、写っていたのはカイロでした。
使い捨てカイロは、ヨーロッパにはほとんど無いと聞いたことがあったのですが、
なるほど、本当にポピュラーじゃないのですね。寒い国々なのにねぇ。
使い方の説明をすると、ものすごーく興味津々で聞き入っておりました。

そんなこんなでゲート前に辿り着いた時は疲労困憊で、ショッピングする元気などなく、
嬉しそうに出かけるちえさんを見送ってから座り込んでいたのですが、
そこに、ショッキングなメールが届いたのです。

キャンセルメール

今まさに乗ろうとしている飛行機が、キャンセルになったというメールでした。
頭が真っ白になりながらも、意外とこういう時に冷静な私は、すぐに次の便をチェックしました。
でも、ダメです、全然ミュンヘン発羽田行きの飛行機には間に合いません。。。

「うわわわわわわわっ〜〜〜〜」ショッピング中のちえさんを夢中で探し出し、
二人で走って振り出しのチェックインカウンターまで戻りました。
そしたら、必死で運び込み、厳しいチェックをくぐり抜けたはずのあのでっかい私達の荷物が、
そこに置いてあったのでした。
賢そうなお姉さんがパソコンのキーボードをすごい勢いで叩いて作ってくれた書類を持ってきて、
「はやく荷物を持って!タクシー乗り場に行って!どのタクシーでもいいから乗って!
ミュンヘン空港に向かうのよ。きっと間に合うわよ!グッドラック!」と叫ぶではないか。
ミュンヘンて、、、ここから200kmあるけど?
タ、タ、タクシーで行けというのか???

でも、いろいろ考えている暇などなさそうです。
言われた通りにタクシー乗り場に走りました。
そして、運転手のおじさんと私達で4つのでっかい荷物をなんとか押し込み、即出発。
荷物のおかげで私は助手席に乗ることになったのですが、
そこで、初めておじさんが英語を話せないことを知ったのでした。
・・・・・。

でも、タクシーは幸か不幸かベンツ。
運転手は幸か不幸か飛ばし屋ふうのおじさん。
走るのは幸か不幸か速度無制限道路として有名なアウトバーン。
こんな経験、願っても出来ることではありません。
もう楽しむしかありません。

アウトバーン

おじさんは常に一番左のレーンを走り続けます。
(私達がとてもじゃないけれど入れなかった一番高速なレーンです)
速度メーターを覗くと170km/h〜190km/hの間をキープ。
そして、1回右からチョロっと出てきた車を急ブレーキで回避したのですが、
正直「ああ、私はここで死ぬんだ」と思ったほど近距離だったのに、
おじさんはクラクションとブレーキを同時に可動させ、
車は、全くブレず、揺れず、スーッと音もなくあっという間に100kmにダウンしたのでした。
すごいっ!!!!!おじさんもベンツもすごいっ!!!!!
「車王国ドイツ」の凄さを思い知らされました。

ミュンヘン空港

そして、なんとミュンヘン空港に1時間10分で到着しちゃったのでした。
ただ、ミュンヘン空港の大きさにおののいて、最後の最後で道を間違えたおじちゃん。。。
「ミュンヘン、ヒュージ!」と初めて英語を喋った!

これがそのF1レーサーのような運転手のおじちゃんです。

運転手

カメラを向けたら「逆光だからこっちから撮りな」というふうな動作と、
「オレの愛車も入れろよ」という動作をしました。笑
恐るべしドイツ人。愛すべしドイツ人。最高〜。

実は私の旅に事件はつきものなのです。
「今回は遭わないなー」と思っていたら最後に遭いました。
寿命が縮むような経験でしたが、
正直、南ドイツは牧歌的で毒気がなかったので、
最後にしびれる経験が出来て良かったです。

コメント

  1. Kimmy より:

    ドッカーン!ウヒョーーッ!!

    話 盛ってないですよね?!と言いたくなるくらいの シビれる(笑)体験。

    文章だけで これだけ面白い(失礼・笑)のですから ドキュメンタリーとして映像に撮っておきたかったですね。

    まあ それどころではなかったでしょうし 予測不能なハプニングばかりですものね。

    これはぜひもう一度~って もうコリゴリですよね。

    武器とカイロ 吹いちゃいました。
    そして 目からウロコ・・・お国変われば・・・何でも当たり前は通用しないのですね。

    ドライバーのおじちゃん イカしてるわあ。

    牧歌的でのどかな旅の終わりに強烈なインパクト!もう にやけてしまう(笑)

    楽しい記事をたくさんありがとうございました。
    直接お話伺うのを楽しみにしていますね♪

    ミセス クニヨシ お疲れさまでした!

    • miori より:

      はい、Kimmyさん、話は盛っていませんよ。笑
      むしろ、もっともっと語りたい事件が他にもあった帰路でした。
      でっかい荷物(一つはビニールテープでぐるぐる巻きにされたミイラのような物体)
      の写真も撮っておけば良かったなぁ。
      「これを持って走ったのよ」と言うと、さらに喜んで貰えそうなルックスだったのに。
      そういえば「美織」という名前は姓名判断では「波乱万丈」な名前なのだそうです。
      合点!

      旅行記、最後まで読んで頂きましてありがとうございました。
      沢山写真を撮ってきたので、見て頂く機会を作りたいと思っています。
      日常の何気ない一コマが「なんだか素敵だな〜」と思えたドイツでした。

      ミセス・クニヨシ

  2. ワルツ より:

    今頃はライブの準備でお忙しい日々を送られていると思いますが、
    ドイツ旅行記、私も楽しませていただきました。
    写真がどれもこれも素敵で・・
    しかし旅は最後の最後まで何があるか、わからないものですね~。

    さすが嵐を(?)呼ぶ女にふさわしいエンディング、
    読むだけなら「面白い!」ですが、実際は笑うどころの余裕はなかったのかもしれませんね。
    とにかく無事に帰国出来でなによりです。
    ではでは、また^^

    • miori より:

      ワルツさん

      そうなのですよね、最後の最後まで何があるか、分からない!
      北海道から帰る便も「飛ばしますが、関西空港か名古屋空港か千歳空港に行くかもしれません」
      と言われましたしねぇ。
      私は「帰る便」が鬼門ですかね。笑
      終わってしまえば笑い話になりますが、ほんと顔面蒼白、硬直状態でしたよー。
      おかげで帰ってきてすぐ体調を崩し、しばらく寝込んでおりました。

      ワルツさんの写真のように「はっ!」とさせられるような素敵な写真は撮れませんでしたが、
      それでも撮りたいと思える景色が多かったので、沢山撮ってきました。
      今度ぜひ見て下さいね。