2012年になってから、すでに12日も経っていました。
長い序章・助走が必要な私は、
半月経って、ようやくいつもの調子が戻ってきた感じです。
序章・助走が必要なのは、年の始めだけではなく、全てがそうで、
例えば、誰かが制作やレコーディングにやってくる時もそう。
まずはお茶して、ゲームして、、、2時間経ってようやく本題、といった具合です。
昨日も金魚すくいやら射的やらテニスやらの、
どうでもいいゲームで盛り上がりに盛り上がってしまいました。
「しまいました」と書きましたが、
後悔しているわけでも、この時間を省きたいわけでもありません。
むしろ、この時間をとても大事に思っています。
例えると、炭を熾すまでの時間、ですかねぇ。
なかなか火がつかなくても、あせらず、空気を送ってじっと待つ、あの時間。
いじり過ぎないで待っていると、ある瞬間に、熾き(おき)ができあがる!
熾きは、炎のエネルギーが臨界点に達した時に出来るそうですね。
そしたらもう、生木でも大木でも何でもメラメラメラメラ・・
何でも燃やすパワーに溢れ、長時間燃え続け、コントロールもしやすくなる。
あ、、、「美織」に火がつくと、「美熾」!(笑)
とても不思議なのですが、熾きが出来上がると、
炎とコミュニケーション出来る感覚も得られます。
うーん、この辺りは、感覚的なもので、うまく説明出来ないのですが、
でも、私の助走時間は、この感覚にとても似ていると思います。
すぐに作業を始めると、音楽とも人ともうまくコミュニケーション出来ないのだけれど、
一緒にまったりした時を過ごしてから始めると、
猛烈に頑張れるし、最初からとてもしっくり、イイ感じでいけるのです。
そうそう、この感覚は、NZのライブハウスでも感じました。
ということで、新年一発目は、そのエピソードを書かせて頂きます。
(結局、2012年に持ち越してしまいました・・)
今年もどうぞ宜しくお願い致します。
miori
★★★
忘れた頃にやってくるニュージーランド演奏旅行記
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8日目 Gig with Zaine Griff Band @ Kings Arms Tevern
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ついに、Zaine Griff Bandとのギグの日です。
Zaineは、ロンドンのミュージックシーンで大活躍していた世界的スター。
まさか同じステージに立てる日が来るとは思っていなかったので、大変に光栄。
その上、会場のKings Arms Tevernは、由緒正しきロックの殿堂だとか。
さらに、Zaineが、「milly la foretサウンドが静か過ぎると、
Rockなお客さまがzaine bandが始まる前に帰ってしまうかも」
と心配していたことを聞いてしまったので、
はぁぁぁあぁぁぁ、かなーりの緊張。。。
派手めのセットリストにしてみたのですが、
所詮milly はmillyで、急にrock bandにはならない。
ドラム、ベース、ギター、パーカッションに、
キーウィー大男ミュージシャン達(190cm超え揃い)が入ってくれるので、
パワーを貰って頑張るしかないのだけれど、
本当にお客さんが帰ってしまってZaineががっかりしたらどうしよう、という思いで、
朝から胃がキリキリキリキリキリ・・
ですが、「何時入りですか?」と聞けば「お昼頃でいいと思う」
とアバウトな返事が返ってくるし、
「私達の出番は何時ですか?」と聞けば「人が集まってきたら」、
会場入りしても、みんな、のんびりのほほんとしていて、殺気はゼロ。
飲んだり、話したり、笑ったりで、実に和やか。
ステージを作り始めたのが、到着後1時間半。
あまりにもやることがないので、近所のレストランでゆっくりランチまでしちゃって、
全曲リハさせて貰って、、、それでも、やだ、まだ、17時?!
開場が早くて20時だというので、Keithを見習って一旦ホテルに戻って
シャワーを浴びて着替えてから再登場することにしました。
そんなこと、と思うかもしれませんが、これが、非常に素晴らしい選択でした。
咽も精神も身体も休息を得て蘇ったし、
一旦リセットした後に、バンドメンバーと徐々に徐々にテンションを上げていく時間を、
取れたのも良かったです。
さらに、楽屋が庭と一体になっていたので、空気の良さにも救われました。
日本でのライブは、時間との戦い、狭さとの戦い、空気の悪さとの戦いですからね。
というわけで、たぶん、今までで一番上手くいったと思います。
とにかく気持ち良くて、「幸せだぁ」「生きてて良かった」「音楽やってて良かった」
「オークランドに来て良かった」と思いながら歌っていました。
終わったらすぐにZaineが駆け寄ってきてくれ、
「静かで穏やかだけれど、魂の強さを感じるRockだった」と称賛してくれ、
重い重い肩の荷をおろすことも出来ました。ほっ。
その後登場したZaine Griffは、朝、お母様のお葬式に出てから来たとのことでしたが、
パワーもテンションもマックスで、素晴らしかったです。
Bandの皆さんもノリノリでイイステージでした。
また一緒にやる約束も交わせたし、観に来て下さったお客様達とも歓談出来たし、
大変大変楽しい一日でした。
会場を後にしたのが夜の12時過ぎ。
ということは、Kings Arms Tevernに12時間以上居たということです。
ニュージーランド・タイム、万歳!