生きる美学

お礼が大変遅くなってしまいましたが、森の薬草ライブに
お越し下さいました皆さま、支援して下さった皆さま、心からありがとうございました。
CDを完成させてそのまま準備に突入した我々は、慢性睡眠不足と疲労で、
当日は、頭も回らず、身体も動かず・・でしたが、
バンドメンバーやゲストの皆さんのバックアップと、温かいお客様の眼差しのおかげで、
一番伝えたかったことは、きちっと伝えられたと思います。
そして、一番大事にしている「世界観」も、守り抜けたと思います。

いろいろが溢れる世の中で、ピピピピピと照準が定まっていく感覚が気持ち良いこの頃・・
私の生命力は、自分の中心から湧き出たものを形にした時に生まれているような気がします。

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ライブ直後に聞かせて頂いた感想、それから、
アンケート、コメント、メールも、大変有り難かったです。
今後の活動に必ず反映させますね。ありがとうございました。
さて、一昨日、
私と好みがとても似ている人が「とんでもなく美味しい店」
「なんだこりゃー!ですよ」と大絶賛するので、
都心から250km離れた山あいの町の小さなお店に行って参りました。

「この土地でその時に採れた物を使い料理しています。
季節の香り、各地から頂く海の恵み、ねかせる事で増す野菜のうまみ。
『今』しか味わえない食材と日常を忘れた静かな空間が皆様をおもてなし致します。」

というお店は、駅から遠く、
タクシーのおじさんも迷子になってしまうほど分りにくいところにあり、
薄暗い住宅街の路地裏の古い地味な一軒家で、入り口も小さい表札のみ。
楚々とした風情の店でした。

御夫妻二人だけで切り盛りしている様子で、「こんにちは」と入っていくと、
常連客風のお客様が「こちらですよ」と案内して下さり(笑)、
元は和室だったと思われる真っ白な不思議な空間に通されました。
立派なリフォームではなく、自分達でリフォームしたであろう部屋に、
手作りしたであろうテーブル、その上に、手作りのテーブルウェア。
そのどれもがとてもお洒落で素敵で、料理への期待を膨らませてくれます。

ほどなく「一日6人まで」のお任せ料理が、大事そうに運ばれてきたのですが、
それが、もうもうもうもうもうもうもうもうもうもう とんでもなく美味!
全ての料理が、ものすごーーーく手間をかけられていて、芸術作品のような美しさで、
独創的なのに奇を衒ったところが全くなく、自然で品も良い。
しかも淡泊な味付けで身体に優しい和食なのに、なぜかパワーがあるのです。
なるほどこれは確かに「なんだこりゃー!」です。
3時間半のコースがあっという間に感じられ、もう一度最初から食べたかったほど。。。
イラストレータでもある可愛い奥様が、丁寧にサーブして下さる仕草や笑顔も超ステキで、
ああ、生きていて良かった、と思えるほど幸福なひとときでした。
心にも御馳走を頂いたような感覚ですね。
しかし、こんなに便利な世の中で、便利な物にもお金にも頼らず、お手軽な宣伝も一切せず、
繁華街ではないところで、毎日たった6人のために、
丁寧に丁寧に美味しい料理を作り続けている人が居たとは。
大変励みになりました。

正直、数字を掲げ、目標を掲げ、文字通り「上へ上へ」のアッパーな人に、
「頑張りましょうよ」と言われると、腰が引けてしまうというか、賛同出来ないのですが、
あの御夫妻のように、「深く深く」邁進している人に「頑張りましょうよ」と言われたら、
限界まで頑張りたいと思いますもの。
やっぱり、生きる美学を守っている人には、惹きつける力も説得力もありますよねー!

というわけで、私達もまたこじんまりの「牧草ライブ」に戻り、
生きる美学を守りつつ、丁寧に丁寧に深いところへ邁進していきたいと思います。
miori

*そのお店→http://onjaku-tadokorogaro.com/