ニュージーランド演奏旅行記その12

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12日目 帰国日 〜全力疾走の旅〜
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朝9時半の飛行機に乗って帰国するため、早起きしてロブを待ちます。
が、やっぱり時間通りに来ません。(笑)
電話すると、「レンタカーを返すのに時間はかからないし、
小さい空港だから、1時間前にチェックインするので大丈夫ですよ〜」と。
ロブの心臓を借りたいと、いつも思います。

でも、ノミの心臓の私達は、超美味だったNZワインを空港の売店で買いたかったし、
レンタカーの返却手続きに、かなり時間がかかるだろうと予想し、
先に出発することにしました。

が、ロブの言った通り、びっくりするほど簡単にチェックを終えたレンタカー屋さん・・
おおらか過ぎです。物が車だけに「そんなことで大丈夫なの〜?!」と、
石橋叩き女の私は、思いました。
フランスもニュージーランドもアイルランドも大好きだけれど、
こういう時「この国には住めないなぁ」と思ってしまいます。
程良い時間に空港に着け、ロブとケンドールにも無事会え、ほっとしたのも束の間、
Kuny-Gが「フルートをレンタカー屋に忘れてきた!」というのです。
思えば、これが魔の一日の始まりでした。
急いで戻って、なぜか路上にポツンと落ちていた(笑)フルートを無事回収したのですが、
ここでかなりの時間のロス。
さらに、ロブ達と別れ難く、別れを惜しんでいたら、
あっという間に最終アナウンスが聞こえてきちゃったのです。
むむっ、まだワインを買ってないのに。

というわけで、私と俊輔君はワイン売り場へ全力疾走。
残り15分です。どきどき。
夢中でワインを5本掴んでレジに持っていくと、
便名を見たおばちゃんが「Oh my God!」と叫ぶものだから、さらにどきどき。
なのに、急いでいるのだろうけれど全く速くない所作で、
一所懸命無税の手続きと頑丈な包装をしてくれる。。。はぁぁぁぁ、心臓に悪い。

でも、最後は、笑顔で手を振りながら「See you again!」と見送って下さった。
そうそうこの笑顔!
ニュージーランドでは、どの方の笑顔もとても素敵でした。
ストレスが少ない環境だからでしょうか。
おおらか万歳!ですね。
やっぱりニュージーランドには住みたいかも。
と思えたので、「今度は引っ越してきた時に!」と応えながら、また全力疾走。

なんとかセーフ。ふー。
ファイル 94-1.jpg
どこまでも続く緑の丘よ、さようなら
さて、私達の便は、韓国の仁川空港経由の便です。
仁川空港で1時間の待ち時間があったので、
世間の情報に疎い私は、聞きかじった情報である「韓国=化粧品」を信じ、
「仁川では化粧品を買うからね」と宣言し、皆と別れ一人で空港内をウロウロ。
結果、化粧部員の餌食となり、あれこれ説明されて、買わされて、、、
そういえば時間は大丈夫だろうか、と、時計を見てみると、5:52。
「出発は何時だったっけ?」と、今度は飛行機のチケットを見てみると、
「6:00」の文字が目に入りました。
えええーーーーっ、、、8分前???

仁川空港は非常に広く、私はその果ての方に居ました。
そして、私の鞄は、ルックス重視で購入したので機能的ではないし、重量もあります。
その鞄の中に、15インチのノートパソコンと一眼レフカメラとワイン5本と化粧品。
たぶん総重量10kgくらいになっています。
キャスターもついてはいますが、これまた機能的ではないし、高速で回りません。
冷静に状況を把握し、シミュレーションしてみましたが、
やっぱり鞄を抱えて走るしかないようです。

ああ、本日3度目の全力疾走。

でも、火事場の馬鹿力って、本当に出るのですね。
頑張って走ったら5分で着きました。セーフです!
でも、なぜか、搭乗口にパーテーションスタンドが立っていて、
入場不可になっているのです。
「もしかして、5分前に締め切ってしまったのだろうか?」
あぁぁぁぁぁ、そうだったらどうしよう。
でも、こういう時諦めないのが私。
息があがって声を出すのも困難でしたが、最後の力を振り絞って、係の人に
英語で(なぜか韓国にいるというのに)
「どうしてもこの飛行機に乗りたいので、お願いです、入れて下さいー!」
と必死で懇願しました。

その結果、、、
冷ややかに、しかも日本語で、
「まだ搭乗受付は始まっていません。6:00からです。」と応えられました。

しかも、弾丸となって走ってきたところから英語で懇願するところまでの全てを、
搭乗口前のベンチに座っていた俊輔君に見られてました。
ちーん。

あの時のニヤニヤ顔が夢に出てきたことも付け足しておきましょう。

というわけで、NZ演奏旅行は、
笑いあり、涙あり、どきどきあり、失敗あり、感動ありの素晴らしい旅でした。

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自分の家のように使わせて頂いていた居心地の良いロブ家
旅を成功に導いてくれたロブとジェニファー、キース、ヒュー、
そして、ミュージシャンの面々、日本から駆けつけて下さったお二人、
NZで知り合った全ての人々に、心から感謝致します。(体現!)

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そして、全くタイムリーではない記事を読んで下さった皆さま、
ありがとうございました。
次回からはタイムリーな話題をお届けするよう努めます。
miori