ドジの功名

私の1番苦手なことは、早起きです。
といっても「起きれない」のではなく、
起きても使いものにならないのです。
早起きする度、思考停止による事件を引き起こしてしまうのです。
今日もやってしまいました。

9時半(私にとっては丑三つ時)からリコーダーアンサンブルの指導をしていたのですが、
「ここはですねぇ」と説明しながら腕まくりをしようとした時、
パーカーを、裏表逆に着てきてしまっていることに気付いたのです。
ブラインドを開けないまま着替えたのがいけなかった・・。嗚呼。

昨日、修理に出そうと思って車に乗せておいた私のブーツの入った紙袋を、
食材だと思い込んでルンルンで持ち帰った俊輔君のことを、
「ったく、どうしようもないドジだわ」と、馬鹿にしていたのですが、
負けてませんね。いや、むしろ、勝っちゃったかも。
人前で指導する人にあるまじき行為ですよねぇ。凹。

だがしかし、、、バレませんでした。
面白いからカミングアウトしないまま講習を続けたのですが、
最後まで、誰からも指摘されませんでした。

それもそのはず、フードのおかげでタグも隠れているし、
よく見ると、縫製や処理が素晴らしく綺麗で、とても裏側に見えないのです。
恥ずかしい、なんていう気持ちを通り越して、
自慢したくなってしまったほどでした。
さすが私が愛してやまない洋服屋さんのパーカー!
見えないところまで丁寧に美しく仕上げるその心意気に、感動すら覚えました。

ここの洋服は、色も形も地味で、洋服だけ見るとなんてことはないのですが、
着た瞬間、良さが分かるのです。
実に細やかな気遣いと緻密な作業の賜物なのでしょうか。
身体に馴染むパターンや着心地の良さ、
そして、着る人を引き立ててくれる奥ゆかしさのおかげで、
全くストレスフリー。
一日何時間、そして、何年も共に過ごす洋服ですものね、
でしゃばらずに「寄り添ってくれる感じ」は、本当に有り難いです。

これは、音楽にも言えることではないでしょうかねぇ。
ガーン、とか、ドーンとかいう派手な音は、案外容易く作れるのですが、
その分、すぐに飽きられるし、邪魔になる。
その人に寄り添える音楽、その人に力を与えられる音楽というのは、
緻密な作業の中で注がれていく魂や、作り手演じ手の謙虚さから、
抽出されるエキスのようなものだと、私は信じています。

というわけで、ドジのおかげで、さらにやる気満々になってきました。
頑張ります!
ライブとワークショップまであと10日。

ワークショップで題材にするリコーダーについて、
少しづつ書いていこうとは思っているのですが、
まずは、「可能性」を紹介しましょうかね。
これ、全部リコーダーなのですよー。
人が集まれば、こんなことも出来るのです。


miori